上段が施工前・下段が施工後です。
こんにちは、86GARAGEのあるじです。今日は「キャンピングカーに、車内のスペースを使わずにエアコンを付ける方法」についてお話しします。
結論から言うと、ルーフエアコンなら、室外機も室内機も天井の外側に載せます。
車内に出てくるのは、吹き出し口とモニターだけです。家具がぎっしり入っているキャンピングカーでも、内装を削らずに取り付けられます。
今回は、トイファクトリー製のハイエースに取り付けた実例をもとに、仕組みから費用まで順番にご説明します。
ルーフエアコンとは?車内のスペースをほとんど使わないエアコン
ルーフエアコンとは、室外機と室内機の両方を、車外の天井に設置するタイプの12Vエアコンです。車内に出てくるのは吹き出し口とモニターだけで、設置面積はほとんどありません。

車内に出てくるのは、吹き出し口とモニターだけです
壁付けのエアコンは、室内機を置くための壁面が必要です。ところがキャンピングカーの壁面は、収納棚やベッドの土台で埋まっていることがほとんどです。ルーフエアコンは、その壁面を1枚も使いません。
内装が充実した車両でも、スペースを損なわずに取り付けられる。これがルーフエアコン最大の特徴です。

「ルーフクーラー」「12Vクーラー」と呼ばれることもあります
ルーフエアコンは、ルーフクーラー、12Vクーラー、12ボルトクーラーなど、いくつかの呼び方をされます。呼び方が違うだけで、指しているものは同じです。お問い合わせでも「クーラーとエアコンは別物ですか」とよく聞かれます。
ただし「クーラー」と名前が付いていても、冷やすだけの製品ではありません。86GARAGEで扱っているものは冷房・暖房・送風の3機能を備えており、夏だけでなく冬も使えます。検索するときに迷う方が多いので、先にお伝えしておきます。
ルーフエアコンが選ばれる3つの理由
天井に載せるという方法は、次の3つの悩みをまとめて解決します。
- 車内のスペースを使いたくない:壁も床も使いません。室内に出るのは吹き出し口とモニターだけです
- スペアタイヤを外したくない:室外機を車体の下に置く必要がないため、スペアタイヤはそのまま残せます
- これから内装をDIYしたい:壁面が空いたままなので、あとから自由に家具を作れます
実例:これから家具を自作する車に、エアコンだけ先に付けた
別のご依頼では、「内装はこれから家族で作りたい。でもエアコンだけ先に付けたい」というボンゴのオーナー様に、ルーフエアコンを取り付けました。
壁付けにすると、あとから作る家具の位置がエアコンに縛られます。床下に室外機を置けば、スペアタイヤを降ろすことになります。天井なら、そのどちらも起きません。車内は1ミリも使っていないので、内装は思いどおりに作っていただけます。

今回の施工|マックスファンの開口を活かして取り付ける
今回のハイエースには、最初から天井にマックスファン(換気システム)が付いていました。このファンを取り外し、その開口をルーフエアコン用に加工して取り付けています。

既存の開口部を使うと、天井の加工を最小限にできます
もともと穴が空いている場所を使うため、新たに大きく切り開く必要がありません。天井に手を入れる量が減るほど、水漏れのリスクも下がります。
ただし「穴が空いているから簡単」ではありません
既存のファンを外しても、コーキングの除去、取り付けパーツの撤去、開口の寸法加工は必須です。穴にエアコンを入れて終わり、という作業ではありません。
特に難しいのが高さの調整です。車内に出てくる部分の寸法を合わせないと、操作パネルが飛び出しすぎたり、逆に奥まって見栄えが悪くなったりします。エアコンを天井と水平に仕上げ、水が入らないように何層にも対策を重ねていく。ここが仕上がりの差になります。

ルーフエアコンは、見た目以上に重量があります。これを天井の高さまで運び、位置を合わせて設置する作業は、1人では危険です。
必ず2人以上で作業してください
YouTubeなどで1人で施工している動画を見て「自分にもできそうだ」と思う方がいます。無理は禁物です。車体への傷や凹み、製品の落下や故障、ご自身の怪我まで、リスクが多くあります。
86GARAGEでも、安全を確保した2人体制で取り付けています。挑戦される方は、この点だけは守ってください。

サブバッテリーとポータブル電源、どちらからでも使えるようにする
今回は、エアコンを動かす電源システムにもこだわりました。12Vサブバッテリーと、ポータブル電源(100V)のどちらでもエアコンを使えるよう、切り替えのシステムを組んでいます。

場所によって、電源を使い分けられます
- 道の駅など、電源のない場所:12Vサブバッテリーでエアコンを動かす
- RVパーク・電源付きキャンプ場:ポータブル電源または外部100V電源に切り替えて動かす
電源サイトがある場合は、バッテリーの残量を気にせずエアコンを使い続けられます。キャンピングカーで夏の車中泊をするときの最大の悩みが、ここで解決します。
ただし、誤ったシステム構築や使い方をすると、12Vエアコンやシステムに負荷がかかり、故障の恐れもあります。知識のある方、または専門業者によるシステム構築と、使い方を理解したうえでの運用をお願いします。
なお、配線の構成や機器の組み合わせといった詳細は、安全に関わるため公開していません。お問い合わせいただければ、お車の状態に合わせてご説明します。
ルーフエアコンは、どれくらい電気を使うのか
定格は約50A、12Vで換算するとおよそ600Wです。ただしこれは起動直後の数字で、車内が落ち着くと250〜400W程度まで下がります。ずっと全力で回り続けるわけではありません。
- 200Ah(約2,400Wh):断熱済みの車両で、一晩(約5〜8時間)
- 300Ah(約3,600Wh):一晩以上、日中の使用も含めて余裕を持たせたい
- 400Ah(約4,800Wh):家族での車中泊、複数日の連泊
- 600Ah(約7,200Wh):長期の旅、ペットの留守番中も切りたくない
この数字は、消費電力250〜600Wという条件での計算上の目安です。断熱の有無、車内の広さ、外気温、ドアの開閉頻度によって、実際の持ち時間は変わります。
いま積んでいるバッテリーで足りるか迷っている方は、バッテリーは、入れ替えなくても増やせるもあわせて読んでみてください。増やすときの考え方をまとめています。
今回の施工内容
- 12Vエアコン(ルーフエアコン)取り付け
- ポータブル電源・12Vサブバッテリーの切り替えシステム構築

費用の目安
12Vエアコンの取付は、車両の状態によって2つのプランに分かれます。最短3日から、全国対応で承っています。
- Aプラン ¥298,000〜:ハイエース等(純正の内装のまま)
- Bプラン ¥348,000〜:軽バン・架装済みキャンピングカー
今回のように、すでに家具が入ったキャンピングカーはBプランです。純正のままの車両は家具などがないため取り付けやすく、架装された車内では、エアコンを設置する場所の確保や、そこまでの配管ルートを新たに作る必要があります。この手間の差が、金額の差になります。だから1台ずつお見積りしています。
電源の切り替えシステムや、車両の状態に応じた追加施工が必要になる場合もあります。お車の状況を伺ったうえで、個別にお見積もりします。
よくあるご質問
12Vエアコンは後付けでも取り付け可能ですか?
はい、可能です。車中泊DIYの車両でも、キャンピングカーの内装車両でも、車両情報をお知らせいただければ取り付け可能な場所を考えてご提案します。まずはお気軽にご相談ください。
スペアタイヤが車内や車体下にありますが、取り付けできますか?
ルーフエアコンであれば、スペアタイヤはそのまま残せます。室外機を天井に載せるため、車体の下のスペースを使わないからです。ただし壁付けのタイプは室外機を車体下に設置するため、スペアタイヤの位置によっては対応できない場合があります。どちらが向いているかは、車両情報をいただいた上でご案内します。
どんな車両でも取り付けできますか?
いいえ、すべての車両に対応できるわけではありません。室外機を設置するスペースが確保できない車両はお断りとなります。取り付け可否は、車両情報をいただいた上でご案内しています。
バッテリーがありませんが、12Vエアコンは使えますか?
エアコンの稼働には電力の供給先が必要です。サブバッテリーシステムの構築、またはポータブル電源を使ったシステムのどちらかが必要になります。どちらが適しているかは、ご使用環境に合わせてご提案します。
サブバッテリーシステムは絶対に必要ですか?
いいえ。ポータブル電源を使ったシステム構築でも、問題なくエアコンを稼働させられます。設置スペースやご予算に合わせてご提案しますので、ご相談ください。
サブバッテリーはどのくらいの容量が必要ですか?
最低でも200Ahあると安心です。一晩(約5〜8時間)が目安になります。ご家族での連泊を考えている場合は400Ah以上を見ておくと余裕が出ます。使用時間や他の電装品との兼ね合いで必要な容量は変わりますので、使い方を伺った上で最適な容量をご提案します。
12Vエアコンを自分で取り付けることはできますか?
専門的な工具と知識があれば可能です。ただし、製品を購入してDIYに挑戦された多くの方が、施工の途中でトラブルに遭いご連絡くださるケースが多くあります。気軽な気持ちで取りかかると思わぬ危険が伴う作業ですので、十分にご理解の上で挑戦してください。ルーフエアコンは特に重量があるため、必ず2人以上で作業してください。
床下収納がある車両でも取り付けできますか?
はい、床下収納がある車両でも取り付け可能です。車両の状態に合わせた取り付け方法をご提案します。
いま乗っているキャンピングカーにも、エアコンを
「気に入っているキャンピングカーなのに、エアコンがなくて夏が楽しめない」。そうしたご相談をよくいただきます。内装を削らずに付ける方法は、いくつもあります。
86GARAGEはキャンピングカー制作を内製化しているため、エアコンの取り付けだけでなく、サブバッテリーシステムの構築や家具製作までまとめてご依頼いただけます。電装から内装まで、一貫してご提案できます。
サブバッテリーの設置スペースがない、予算や内装の都合で難しい、という方もご安心ください。お持ちのポータブル電源でエアコンや車内の電装を動かす仕組みも組めます。
まずは車内のお写真をお送りください。天井の状態と、壁面がどれだけ残っているかが分かれば、その車に何ができるかお答えします。
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