自分で内装を作る前に、プロに頼んだほうがいいもの|車中泊DIYの順番

こんにちは、86GARAGEのあるじです。今日は「車中泊の内装を、自分で作りたい」という方に向けて、作る順番のお話をします。
86GARAGEには、全部お任せのご依頼もあれば、「基礎だけ作ってほしい。家具は自分でやる」というご依頼もあります。後者の方から必ず聞かれるのが、「どこまで自分でやれますか」という質問です。
これから自分の車を作ろうとしている方、作り始めて手が止まっている方に読んでいただきたい内容です。
やり直せることと、やり直せないこと
車中泊の車を作る工程は、大きく2つに分かれます。
ひとつは、あとからいつでもやり直せるもの。ベッド、収納、テーブル、棚。気に入らなければ外して作り直せます。失敗しても、材料代と時間で済みます。
もうひとつは、壁を閉じる前にしかできないもの。制振、断熱、配線、エアコンやFFヒーターの配管。これらは内張りの内側に入ります。あとからやろうとすると、作った内装を外して、壁を開け直すところから始めることになります。
自分で作る方が止まるのは、ほとんどがこの2つ目です。順番を知らずに、やり直せないものを後回しにしてしまう。これが一番もったいない失敗です。
作る順番は、6段階に分かれます

86GARAGEでお見積りを出すときに、いつもご説明している順番です。
- レイアウトと電源容量を決める ← すべての前提
- 制振・断熱・防音 ← 壁を閉じる前にしかできない
- 配線(電源・照明・エアコンの配管) ← 同上
- 12Vエアコン・FFヒーターの取り付け ← 専門的な知識が必要
- 内張り・板張り
- 家具・ベッド・収納 ← ここだけは、いつでもやり直せる
①から⑤までが「先」で、⑥が「あと」です。この線を引くだけで、何を急ぐべきかがはっきりします。
① レイアウトと電源容量を決める
いちばん最初で、いちばん大事です。ここが決まらないと、配線をどこへ引けばいいのかも、どれくらいの電気が要るのかも決まりません。
寝る場所、座る場所、荷物を置く場所。そして、何を何時間使いたいのか。12Vエアコンを一晩使いたいのか、連泊したいのか、ペットのために留守番させたいのか。ここで必要な電気の容量が変わります。
サブバッテリーの容量の目安は、200Ahで一晩(およそ5〜8時間)、300Ahで一晩以上と日中、400Ahで家族や連泊、600Ahで長期の旅やペットの留守番、という形でご案内しています。
この数字は、家具の形より先に決めてください。バッテリーは置き場所を取ります。家具を作ってから「入らなかった」となるのが、一番よくある手戻りです。
② 制振・断熱・防音
壁の内側に入る工程です。内張りを貼ってしまうと、もうできません。
断熱の理屈は、住宅と同じです。壁の中の空気が外気で冷えたり温まったりして、室内の温度に影響します。住宅は断熱材でその空気をなくしています。車も同じで、適温を保ちやすくなるのが断熱の効果です。
よく誤解されるのですが、断熱がないとFFヒーターが効かない、という関係ではありません。FFヒーターは断熱がなくても効きます。断熱は、暖めた空気・涼しくした空気を逃がさないための工夫で、冷暖房の効果をより発揮させるものです。
そして、冷暖房を動かす電力の省エネにもなります。予算があればやったほうがよい工程です。

③ 配線
電源の線、照明の線、エアコンの配管。すべて内張りの内側を通ります。ここも、壁を閉じる前にしかできません。
将来つけたいものがあるなら、使う予定がなくても先に線だけ通しておく。これができるのは、この段階だけです。

④ 12Vエアコン・FFヒーターの取り付け
穴を開け、配管を通し、燃料や電気をつなぐ工程です。専門的な知識が必要なので、下準備としてこの段階でご依頼いただくのが、一番すっきりします。
FFヒーターの燃料を車両のタンクから引く場合は、燃料タンクへの加工が必要になります。これは、知識と施工経験がないと非常に危険です。
エアコンの室外機の位置も、ここで決まります。車体の下に付けるタイプは、スペアタイヤの位置によっては取り付けできないことがあります。天井に付けるルーフエアコンなら、車体の下を使わないのでスペアタイヤを残せます。



⑤ 内張り・板張り
ここで壁を閉じます。①から④までが終わっていないと、閉じられません。
⑥ 家具・ベッド・収納
ここから先は、いつでもやり直せます。DIYでいちばん楽しいところで、いちばん失敗しても大丈夫なところです。
作ってみて使いにくければ、外して作り直せばいい。何度でもできます。
電気だけは、できれば任せてください
照明やUSBの充電くらいであれば、ご自身で組まれる方もいます。ただ、12VエアコンやFFヒーターをつなぐとなると、話が変わります。
12Vエアコンの定格は、およそ50Aです。12V換算でおよそ600W。車内が落ち着いてくると250〜400W程度まで下がりますが、動き出しはこの数字が流れます。FFヒーターも、通常の運転中は落ち着いていますが、点火のときに15Aや20Aを超える電流が流れることがあります。
この出力の高い機器をサブバッテリーにつなぐには、
- 使う容量に合わせて、配線の太さを決める
- ヒューズの容量を決める
- システム全体の電気の容量を計算する
という作業が必要になります。配線が細ければ、そこが熱を持ちます。太ければいいという話でもなく、容量に合わせて決めるものです。

サブバッテリーシステムの良いところは、使い方に合わせて自由に組めることです。出力を取る場所も、配線の太さも、使い勝手も、その車に合わせて設計できます。裏を返せば、設計を間違えられるということでもあります。
家具は、気に入らなければ作り直せます。電気は、やり直しが効きにくいうえに、間違えたときの危険が違います。電気を専門に扱っておられる方でなければ、12VエアコンやFFヒーターと一緒に、サブバッテリーまでお任せいただくことをおすすめします。
実例1|新車のうちに、空調だけ先に入れた方
納車されたばかりの新車のハイエース(標準ボディ)に、ルーフエアコンとFFヒーターだけを取り付けた1台です。

制振も断熱も床貼りも内装も、これからお客様ご自身が作られます。そのための下準備として、先に空調を入れました。お預かりから1週間です。
このお客様は電気の資格をお持ちで、サブバッテリーはご自身で組まれました。自分でやる部分と、任せる部分を、作り始める前に決めておられたのが大きかったと思います。だから一度の預かりで済んでいます。

詳しくはこちらの施工事例をご覧ください。
実例2|自作の内装を、外してやり直した方
こちらは逆の順番になった1台です。すでにご自身で作られていた内装を一度外して、12VエアコンとFFヒーターを入れ直しました。
できないわけではありません。ただ、外す手間と、戻す手間が増えます。同じ空調を付けるのに、かかる日数も費用も変わってきます。


この2台を並べると、順番の意味がはっきりします。詳しくはこちらの施工事例をご覧ください。
「基礎だけ」という頼み方ができます
86GARAGEは、全部お任せのご依頼だけを受けているわけではありません。
断熱・照明・エアコン・電源といった基礎だけを作って、ベッドや収納はお客様ご自身で。この受け方をふだんからしています。
新車でも中古車でも、お客様がご用意された車をお預かりして作れます。「内装が出来上がった車両を販売店で買うしかない」と思っておられる方が多いのですが、そうではありません。
どこまでをお願いするかは、車を見ながら一緒に決めていきます。
よくあるご質問
Q. 何も入っていない新車のほうが、安く済みますか
日数と手間は抑えられます。架装済みのお車やすでに内装を作られたお車は、家具をどけたり加工したり、配管を通す道を新しく作る必要があるためです。何も入っていない車は、通したいところへまっすぐ通せます。
Q. FFヒーターだけでも取り付けてもらえますか
はい。FFヒーター単体の取り付けもお受けしています。純正・空っぽの車内であれば最短3日からです。取り付け位置や本体の格納の加工、追加の施工のご希望によって日数は伸びます。
Q. FFヒーターの費用はどれくらいですか
基本の取り付け工賃10万円からに、本体価格(選ぶ機種によって変わります)が加わり、合計で15万円〜30万円を目安とお考えください。取り付け位置が複雑な場所ではなく、追加の家具加工がいらない場所を選べば、日数も工賃も抑えられます。
Q. ハイエースとキャラバン以外でも、車のタンクから燃料を引けますか
車両のタンクから引く施工は、ハイエースとキャラバンが中心になっています。ただ、それ以外のお車でも、車内に燃料タンクを設置する方式であれば取り付けをお受けできます。一度ご相談ください。お車を拝見して、ご提案します。
Q. 自分で断熱をやったあとに、エアコンをお願いできますか
はい。ただし、内張りを貼る前にお持ちください。配管と配線が壁の内側を通るためです。貼ってしまったあとは、一度外すことになります。
ご相談の前に、決まっていると早いこと
お問い合わせをいただくときに、次のことが決まっていると、その場でご提案できます。
- お車(車種・年式・型式/2WDか4WDか)
- いまの状態(新車・純正のまま/自分でどこまで作ったか)
- どこまでを自分でやりたいか
- 何を、何時間使いたいか(エアコンを一晩か、連泊か)
- 車体の下の写真(数枚あると、室外機の置き場所が判断できます)
決まっていなくても構いません。順番から一緒に考えます。作り始める前のご相談が、いちばん手戻りが少なくて済みます。
ご相談はお問い合わせからどうぞ。
12Vエアコン取付 よくある質問
Q. 12Vエアコンは後付けでも取り付け可能ですか?
はい、可能です。車中泊DIYやキャンピングカーの内装車両でも、車両情報をお知らせいただければ取り付け可能な場所を考えてご提案します。まずはお気軽にご相談ください。
Q. どんな車両でも取り付けできますか?
いいえ、すべての車両に対応できるわけではありません。室外機を取り付けられるスペースがない車両はお断りとなります。また、スペアタイヤが車内に設置されている車両も対応不可となる場合があります。取り付け可否は車両情報をいただいた上でご案内します。
Q. バッテリーがありませんが12Vエアコンは使えますか?
エアコンの稼働には電力供給先が必要です。サブバッテリーシステムの構築、またはポータブル電源を使ったシステムのどちらかが必要となります。どちらが適しているかはご使用環境に合わせてご提案します。
Q. サブバッテリーシステムは絶対に必要ですか?
いいえ。ポータブル電源を使ったシステム構築でも問題なくエアコンを稼働させることができます。設置スペースや予算に合わせてご提案しますのでご相談ください。
Q. サブバッテリーはどのくらいの容量が必要ですか?
最低でも200Ahはあると安心です。使用時間や他の電装品との兼ね合いによって必要容量は変わりますので、使い方をヒアリングした上で最適な容量をご提案します。
Q. 12Vエアコンを自分で取り付けることはできますか?
専門的な工具と知識があれば可能です。ただし、製品を購入してDIYに挑戦された多くの方が施工途中でトラブルに遭いご連絡いただくケースが多くあります。気軽な気持ちで取り掛かると思わぬ危険が伴う作業ですので、十分にご理解の上で挑戦してください。
Q. 床下収納がある車両でも取り付けできますか?
はい、床下収納がある車両でも取り付け可能です。車両の状態に合わせた取り付け方法をご提案します。
86GARAGEの12Vエアコン取付について
¥298,000〜、最短3日から施工対応。エアコン本体を海外メーカーから直接仕入れているため、この価格でご案内できています。ハイエース・キャラバン・軽バン・キャンピングカーなど幅広い車種への後付け取付を全国対応で承っています。
今乗っているキャンピングカーにもエアコンを付けたい方へ
「気に入っているキャンピングカーなのに、エアコンがなくて夏が楽しめない…」そんなお悩みをお持ちの方も多いのではないでしょうか。設置場所の条件が合えばキャンピングカーへの後付け取付も対応可能ですので、まずは一度ご相談ください。
エアコン取付だけでなく、電装・家具制作もまとめてお任せ
サブバッテリーシステムの構築や家具制作も一括してご依頼いただけます。キャンピングカー制作を内製化している86GARAGEだからこそ、電装から内装まで一貫したご提案が可能です。
ポータブル電源でエアコンを動かすことも可能
「サブバッテリーの設置スペースがない」「予算や内装の関係で設置が難しい」という方もご安心ください。お客様がお持ちのポータブル電源でエアコンや車内電装システムを管理できる仕組みも構築可能です。気になる方はお気軽にお問い合わせください。

