12Vエアコンだけで冬は越せるのか|壁付けとルーフの違い、雪の日に止まる理由

こんにちは、86GARAGEのあるじです。今日は「12Vエアコンだけで冬は越せるのか」についてお話しします。
夏に向けて12Vエアコンを取り付けた方から、秋になると決まって同じご相談をいただきます。このまま冬も使えるのか、という質問です。これから車中泊の装備を考えている方にも、すでにエアコンを付けている方にも読んでいただきたい内容です。
12Vエアコンだけで冬は越せるのか
結論から書きます。壁付けタイプと天井吊り下げタイプの12Vエアコンだけでは、冬は越せません。このタイプには暖房の機能がないからです。
壁付け・吊り下げタイプは「冷房」と「送風」の2つ


壁の上部や天井から吊り下げて設置する12Vエアコンは、できることが冷房と送風の2つです。夏の暑さをしのぐためのもので、暖かい風は出ません。操作パネルにも暖房の表示はありません。
ここを勘違いされたまま冬を迎えてしまう方が、毎年いらっしゃいます。家庭用のエアコンは1台で冷暖房をまかなうのが当たり前なので、車のエアコンも同じだと思ってしまうのは自然なことです。買う前に知っておいていただきたいところです。
ルーフエアコンには暖房が付いている

同じ12Vでも、天井の上に載せるルーフエアコンは、冷房・送風・暖房の3つができます。こちらは冬にも使えます。
ルーフエアコンは室外機も室内機も天井の外側にまとまっているため、車体の下を使いません。スペアタイヤをそのまま残せるのが利点です。一方で取り付けると車体の高さが15〜22cm高くなります(車両と製品によってこの範囲で変わります)。立体駐車場やご自宅の車庫を使っている方は、先に高さを測っておいてください。
ルーフエアコンの暖房で、できること・できないこと
電気で暖める、という仕組み
ルーフエアコンの暖房は、サブバッテリーの電気で動きます。12Vエアコンの消費電力は定格でおよそ600W、車内の温度が落ち着いてくると250〜400W程度まで下がります。暖房もこの電気をずっと使い続けることになります。
サブバッテリーの容量の目安は、200Ahで一晩(およそ5〜8時間)、300Ahで一晩以上と日中ぶん、400Ahで家族での連泊、600Ahで長期の旅やペットのお留守番、と考えていただくと分かりやすいです。冬に暖房として使うなら、容量には余裕を持たせておきたいところです。
雪が積もると、使えなくなります

ここがいちばんお伝えしたい点です。ルーフエアコンは天井の上にあるため、雪が積もると使えなくなります。
本体の上面にはファンが付いていて、ここで熱を逃がしています。雪がのってふさがってしまうと、動かせません。雪の降る夜に車中泊をするなら、使うたびに屋根に上がって雪をどける必要が出てきます。真夜中に、しかも寒い中での作業です。現実的ではありません。
冬の本命はFFヒーター

FFヒーターは、車の燃料を使って車内を暖める機器です。動かすのに必要なものは12Vの電源と燃料の2つだけ。86GARAGEで扱っているのは、ガソリンタイプと軽油タイプの2種類です。軽油のお車にもガソリンのお車にも取り付けできます。
電気をあまり使わずに、車内全体が暖まる
暖める力のほとんどを燃料でまかなうので、サブバッテリーの消耗はわずかです。電気で暖めるルーフエアコンとは、ここが決定的に違います。バッテリーを気にせず朝まで点けていられる、というのは冬の車中泊では大きな安心になります。
暖まる範囲も違います。電気ヒーターは目の前だけ、電気毛布は体が面している部分だけですが、FFヒーターは車内全体が暖まります。足元だけ冷たい、背中だけ寒い、ということが起きません。

力も十分にあります。FFヒーターだけで、真冬でも車内で半袖で過ごせる気温まで上げられます。キャンピングカーの冬の暖房として欠かせない装備です。
石油ヒーターを車内で使うより、場所を取りません
冬の車中泊で石油ヒーターを持ち込む方もいらっしゃいますが、設置面積を取りますし、走行中や寝ている間に倒れればタンクの燃料がこぼれます。FFヒーターは本体がコンパクトで、燃料も車両側から取れます。車内に置くものが減るぶん、就寝スペースを広く使えます。
燃料の引き方は2通りあります
ひとつは、車内に燃料タンク(携行缶など)を設置して固定し、そこから引く方法です。転倒しないようにしっかり留めて、使うぶんを補充していただきます。この方法なら、幅広い車両で取り付けを受けられます。
もうひとつは、車両の燃料タンクに加工をして、ホースでFFヒーターへ引く方法です。補充の手間がいりません。ただしタンクへの加工が必要で、専門の知識と施工の経験がないと非常に危険な作業になります。この方法はハイエース・キャラバンでの施工が中心ですが、それ以外のお車でも対応できる場合がありますので、一度ご相談ください。
「車両のタンクから引いたら、燃料が空になって走れなくなるのでは」とよく聞かれます。ホースをタンクの底まで入れればそうなりますが、86GARAGEでは最低でも燃料タンクの5分の1が残る長さで取り付けています。一晩二晩点けっぱなしにしても、エンジンがかからなくなることはありません。車が走行できることを第一に考えて取り付けています。
どちらを選ぶか、使う場所で決めてください
雪の降る場所で泊まるなら、FFヒーター
雪山でスノースポーツを楽しむ方、寒い地域で車中泊をされる方には、迷わずFFヒーターをおすすめします。雪が積もっても暖房が止まらないこと、これが理由のすべてです。
ルーフエアコンが向いている方

雪の降らない地域にお住まいで、夏の冷房を主役に考えている方には、ルーフエアコンという選び方があります。1台で冷房も暖房もまかなえますし、車体の下を使わないのでスペアタイヤを残せます。春や秋の朝晩の冷え込みを和らげたい、という程度であれば十分に役目を果たします。
両方を付けるという選び方
夏はエアコン、冬はFFヒーター、と分けて使う方もいらっしゃいます。一年を通して車で過ごす時間が長い方ほど、この形に落ち着いていきます。
あわせて考えていただきたいのが断熱です。断熱は、暖めた空気・涼しくした空気を逃がさず、外の気温の影響を車内に持ち込まないための工夫です。住宅で壁の中に断熱材を入れているのと同じ理屈で、車も適温を保ちやすくなります。冷暖房を動かす電力の省エネにもなりますので、ご予算に余裕があればおすすめしています。
費用と日数の目安

FFヒーターの取り付け
基本の取り付け工賃が10万円からで、ここに本体の価格が加わります。本体は選ぶ機種によって変わりますので、合計で15万円〜30万円を目安とお考えください。
施工日数は最短3日からです。純正のままで車内が空いているお車なら、この日数から取り付けできます。取り付け位置や本体を格納する加工、追加のご要望によって日数は伸びます。キャンピングカーや架装済みのお車は、家具をどける・加工する・設置場所を考えるという工程が入るため、日数も料金も伸びます。
逆に言えば、取り付け位置が複雑な場所ではなく、追加の家具加工がいらない場所を選べば、日数も工賃も抑えられます。
冬だけ使って、春に外すという方法

軽自動車や軽バンのように、常に積んでおくのが難しいお車のために、冬に取り付けて暖かくなったら取り外せるFFヒーターという方法もあります。86GARAGEの自社のエブリィワゴンが、この仕様です。
12Vエアコンの取り付け
12Vエアコンの取り付けは、Aプラン ¥298,000〜(ハイエース等・純正の内装のまま)、Bプラン ¥348,000〜(軽バン・架装済みキャンピングカー)です。
差が出る理由は手間の違いです。純正のままのお車は家具などがないため取り付けやすく、架装されたキャンピングカーは設置場所の確保と配管ルートを新たに作る必要があります。お車の状況を伺ったうえで、個別にお見積もりします。
よくあるご質問
壁付けの12Vエアコンに、あとから暖房の機能を足せますか
できません。暖房の機能は本体に備わっているかどうかで決まるため、後から追加することはできません。冬の暖房がほしい場合は、FFヒーターを足すか、ルーフエアコンへの入れ替えをご検討いただくことになります。
ルーフエアコンの暖房だけで、真冬の車中泊はできますか
雪の降らない地域であれば、朝晩の冷え込みを和らげる役目は果たします。ただし暖める力はFFヒーターのほうが上ですし、電気を使い続けるためサブバッテリーの残量を気にしながら使うことになります。真冬にしっかり暖まりたいのであれば、FFヒーターをおすすめします。
FFヒーターは電気をどれくらい使いますか
暖める力のほとんどを燃料でまかなうため、電気の消費はわずかです。必要なのは12Vの電源で、サブバッテリーシステムのほかポータブル電源からも取れます。ただしポータブル電源に直接つなぐと故障の危険があるため、間にシステムをかませる必要があります。この部分も含めて施工しています。
ハイエースやキャラバン以外でも、FFヒーターは付けられますか
付けられます。車内に燃料タンクを設置する方法であれば、幅広いお車で取り付けを受けられます。車両のタンクから引く方法はハイエース・キャラバンでの施工が中心ですが、お車によっては対応できる場合がありますので、一度お問い合わせください。これまでに軽バン・ハイエース・キャラバン・デュカトで実績があり、ガソリン車・軽油車のどちらにも取り付けています。
ルーフエアコンとFFヒーター、両方付けられますか
両方お付けできます。夏はエアコン、冬はFFヒーターという使い分けになります。設置場所と電源の設計が変わりますので、両方をお考えの場合は最初の段階でお伝えください。
まずは、どこで泊まるかを教えてください
12Vエアコンだけで冬を越せるかという問いへの答えは、壁付け・吊り下げタイプなら「越せない」、ルーフエアコンなら「越せるが、雪の降る場所では止まる」です。そして雪の有無にかかわらず、冬の暖房としていちばん確実なのはFFヒーターです。
お車の状態によって、できること・できないことが変わります。車種・年式と、車内の今の様子が分かるお写真をお送りいただければ、どの組み合わせが合うのかをご案内します。お問い合わせはこちらからどうぞ。
これまでの施工は施工事例にまとめています。あわせてご覧ください。
家具制作・フルビルド よくある質問
Q. 部分的な施工依頼も可能ですか?
はい、可能です。気になる箇所だけのご依頼も承っています。例えば「断熱+バッテリーシステム+エアコン取付だけ依頼して、ベッドキットは自分で用意して楽しむ」といったスタイルも大歓迎です。
Q. フルビルドの費用はどのくらいかかりますか?
軽バンで¥1,000,000〜2,500,000、乗用車バンで¥1,500,000〜3,500,000が目安です。完全フルオーダー制作のため、1台ごとにご要望をヒアリングした上でお見積りします。
Q. 施工期間はどのくらいかかりますか?
目安は1〜2ヶ月です。内容や込み具合によって前後しますので、詳しくはご相談時にお伝えします。
Q. イメージが決まっていなくても相談できますか?
ある程度の使い方や方向性をお考えいただけるとスムーズです。「旅メインで使いたい」「ペットと快適に過ごしたい」など大まかなイメージでも構いません。SNSで見つけた「こんな車内が好き」という画像も参考になりますのでぜひお持ちください。
Q. キャンピングカー登録(8ナンバー)にも対応していますか?
はい、キャンピングカー登録までお手伝いします。登録に必要な要件も含めてご提案しますのでご安心ください。
Q. 軽バンでもフルビルドはできますか?
はい、軽バン・乗用車バンなど幅広い車種に対応しています。限られたスペースをどう活かすかも含めて、一緒にワクワクしながら考えましょう。
Q. 既存の内装に家具を追加してもらうことはできますか?
はい、可能です。現在の内装の状態や車両情報をお知らせいただければ、既存スペースに合わせた家具制作・追加施工をご提案します。
Q. 素材や色はどこまで選べますか?
木材・金属・ファブリックなど素材から色・仕上げまで幅広くご要望にお応えします。「車内を黒で統一したい」「ナチュラルな木目にしたい」など、こだわりをそのままお伝えください。
Q. 遠方でも依頼できますか?
はい、全国対応しています。持込車両のみの対応となりますが、北海道から九州まで多くのお客様にお越しいただいています。まずはオンラインでご相談ください。

