サブバッテリーの増設は、いつまでならできるのか|年数ではなく使い方で決まる

こんにちは、86GARAGEのあるじです。今日は「サブバッテリーの容量が足りないとき、入れ替えるのか、それとも足すのか」という話をします。
エアコンを使いたい、もっと長く電気を使いたい。そう思ったとき、いま積んでいるバッテリーを全部入れ替えるしかないと考える方が多いです。実際には「足す」という選択肢があります。ただし先にお伝えしておくと、僕たちがまずおすすめするのは、足すことではなく「同時に新しいものへ入れ替えること」です。足すという方法が向くのは、条件がそろったときだけです。ここがいちばん大事なところなので、順番にお話しします。
サブバッテリーは、入れ替えなくても増やせます
いま積んでいるバッテリーに、同じものを並べて足す。これを増設といいます。86GARAGEでも、実際に何台も行っています。

リチウム300Ah → 600Ahにした例
大手ビルダーのキャンピングカーに、12Vエアコンとリチウム300Ahのシステムを組んだ車両です。
その1か月後、「もう少し余裕がほしい」というご相談をいただき、300Ahを追加して合計600Ahにしました。
この方は、ご夫婦で週末から1週間ほどの車中泊をされます。使ってみて初めて「自分にはこれくらい必要だ」が分かった、というケースです。

200Ah → 400Ahにした例
別の車両ですがハイルーフ・ワイドのハイエースに12Vエアコンを後付けした車両では、既存の200Ahを残したまま200Ahを追加し、合計400Ahにしました。
こちらも購入時に新規の200Ahが備わって納車された車両でしたが、後付けでエアコンを取り付けた際に容量の事を考えて増設することにしました
すでにあるものを捨てずに済んだ例です。

ただし、まずおすすめするのは「同時に入れ替える」ほうです
ここからが、いちばんお伝えしたいところです。
いまお見せした2件は、どちらも追加がうまくいった例です。ただ、ご相談をいただいたとき、僕たちが最初にご提案するのは、追加ではなく「同時に新しいものへ入れ替える」ほうです。追加は、条件がそろったときの選択肢だと考えています。
使い始めた時点から、劣化は始まっています
理由はひとつです。バッテリーは、たくさん使っていなくても、時間とともに少しずつ弱っていきます。車に積んで使い始めた日から、それは始まっています。
ですから「あまり使っていないから、まだ新品と同じ」ということにはなりません。中途半端なタイミングで新品を足すのは、基本的にはおすすめしていません。
古いバッテリーと新しいバッテリーを並べると、何が起きるのか
バッテリーを追加すると、既存のものと新しいものは、つながってひとつの大きなバッテリーのように動きます。充電も放電も、一緒に行われます。
このとき、片方だけがすでに弱っていると、全体がその弱いほうに引っ張られます。使える容量は思ったほど増えず、充電や放電のときの負担も、うまく分かれてくれません。
その結果、あとから入れた新しいバッテリーのほうも、本来より早く弱ってしまう可能性があります。せっかく新品を足したのに、その新品の寿命を、古いほうが縮めてしまうということです。
それでも増設が向くのは、どんなときか
もちろん、追加が正しい答えになる場合もあります。実際に先ほどの2件は、そうでした。
サイクルという考え方
バッテリーの消耗は、サイクルという単位でも数えます。
満充電の状態から使い切って、そこからまた満充電まで戻す。これで1サイクルです。100%から0%まで使い、また100%に戻す。この一往復を1回と数えます。
同じ1年でも、毎回0%近くまで使い切っている方と、半分も減らさずに使っている方とでは、進んでいるサイクルの数がまるで違います。
条件は「期間が短い」と「サイクルが進んでいない」の両方です
増設をおすすめできるのは、この2つがそろっているときです。
- 前回の施工から、まだ期間が短いこと
- その間に、サイクルもあまり進んでいないこと
どちらか片方だけでは足りません。期間が短くても毎回使い切っていればサイクルは進んでいますし、あまり使っていなくても年数が経っていれば、時間による劣化のほうが進んでいます。
今回のご依頼は、その両方を満たしていました
今回の増設依頼である300Ah→600Ahの方は、施工から1か月後のご相談でした。期間が短く、その間のサイクルもまだあまり進んでいない状態でしたので、追加しても問題ないと判断しています。
「1か月だから大丈夫」ではなく、「1か月で、まだそれほど使い込んでいなかったから」です。
期間が経っている、よく使い切っている場合はどうなるか
この場合、増設はおすすめできません。できないわけではありません。作業としては可能です。ただ、おすすめはしていない、という意味です。
「もったいない」が、かえってもったいなくなることがある
まだ使えるバッテリーを外すのは、もったいなく感じます。その気持ちは、僕たちもよく分かります。
ただ、同じ状態のバッテリーを一緒に組んだほうが、全体としては素直に働いてくれます。結果的に長く、気持ちよく使えることが多いです。目先の1回だけでなく、この先の何年かで考えたときに、そちらのほうが無駄が少なくなります。
リン酸鉄リチウムが「長寿命」と言われる理由
86GARAGEで使っているリン酸鉄リチウムイオンバッテリーは、使えるサイクル数が、鉛バッテリーよりもずっと多いという特徴があります。だから長寿命と言われます。

それは「長く使える」という話です
サイクル数が多いというのは、結果として長く使える年数が延びるということです。同じ使い方をしても、鉛より長くお付き合いできる、ということになります。
ただし、増設してよい理由ではありません
ここは混同されやすいところです。長寿命であることと、あとから足していいことは、別の話です。リン酸鉄リチウムであっても、使い始めた日から劣化は進みます。多いというだけで、無限ではありません。
だから、増やすなら早めに決めるのがいちばんです
「容量が足りないかもしれない」と感じ始めた時点が、いちばん動きやすいタイミングです。足りないと感じているということは、毎回しっかり使い切っているということでもあります。そのまま使い続ければ、サイクルはどんどん進んでいきます。
迷っている段階で構いません。まずは、いつ入れたバッテリーかと、どれくらいの頻度で、どこまで使い切っているかを教えてください。この2つで、追加がいいのか入れ替えがいいのか、かなりはっきりします。
そもそも、どれくらいの容量が必要なのか
使い方によって、必要な量はまったく違います
「何Ahあれば足りますか」という質問には、ひとつの答えがありません。使い方で変わるからです。
- 週末の車中泊:一晩使えれば十分な場合が多い
- 昼間だけ、ペットの留守番:日中にエアコンを回せる余裕が必要
- 1週間〜1か月の長期の旅:走行充電や外部充電と組み合わせて考える
先ほどの300Ah→600Ahの方も、最初から600Ahが必要だと分かっていたわけではありません。1か月使ってみて、自分の使い方が見えたのです。
だから最初は必要な分から始めて、後から足せるように作っておく、という考え方も成り立ちます。

追加が1日で終わることもあります
アフターを考えて作ってあるかどうかで、変わります
86GARAGEでは、施工する時点でメンテナンス・取り外し・交換・追加がしやすいように電装を組んでいます。配線がどこへ伸びていて、どういう構成になっているかが分かるように作っておく、ということです。
先ほどの300Ah→600Ahの追加は、日帰りで完了しました。お客様は車を預けることなく、その日のうちに乗って帰られています。これは、最初の施工でこちらが作ったシステムだったからです。
初めてお預かりする車両の場合は、まず配線の状態を確認するところから始まります。その分のお時間はいただきますが、そこを確認せずに進めることはありません。

よくあるご質問
サブバッテリーは、入れ替えずに増設できますか?
できます。既存のバッテリーを残したまま、同じものを追加して容量を増やす方法です。実績では200Ah→400Ah、300Ah→600Ahなどがあります。ただし、どなたにもおすすめできる方法ではありません。
増設と入れ替え、どちらがおすすめですか?
まずは、同時に新しいものへ入れ替えるほうをおすすめしています。増設が向くのは、前回の施工から期間が短く、その間にあまり使い切っていない場合です。この2つがそろっているときの選択肢とお考えください。
古いバッテリーに新品を足すと、どうなりますか?
つながった全体が、弱っているほうに引っ張られます。使える容量が思ったほど増えないだけでなく、あとから足した新品のほうも、本来より早く弱ってしまう可能性があります。
バッテリーのサイクルとは何ですか?
満充電から使い切って、また満充電に戻すまでを1サイクルと数えます。100%から0%まで使い、100%に戻す一往復です。使い切る頻度が高いほど、このサイクルは早く進みます。
あまり使っていなければ、何年経っていても増設できますか?
できるとは言えません。バッテリーは、たくさん使っていなくても、使い始めた日から少しずつ弱っていきます。サイクルが進んでいないことと、新品同様であることは違います。年数が経っている場合は、増設よりも入れ替えをおすすめしています。
リン酸鉄リチウムは、鉛より長持ちしますか?
使えるサイクル数が鉛バッテリーよりもずっと多いため、長寿命と言われています。ただしそれは「長く使える」という話であって、あとから足していい理由にはなりません。
増設にかかる費用はどれくらいですか?
車両の状態、いまのシステムの構成、追加する容量によって変わるため、1件ずつお見積りしています。お車の電装まわりのお写真をお送りいただければ、そこからご案内できます。
追加はどれくらいの期間がかかりますか?
もともと86GARAGEで施工した車両であれば、日帰りで完了した実績があります。他店で施工された車両の場合は、配線の確認から始まるため、お時間をいただくことがあります。
容量が足りないかもしれない、と感じ始めたときが、いちばん選択肢の多いタイミングです。お問い合わせから、いまの電装まわりのお写真、バッテリーをいつ入れたか、そしてどれくらいの頻度でどこまで使い切っているかをお送りください。追加がいいのか、入れ替えがいいのか、そこからご案内します。ほかの施工例は施工事例のページでご覧いただけます。
電装・サブバッテリー よくある質問
Q. サブバッテリーシステムとは何ですか?
エンジンを切った状態でも照明・冷蔵庫・電子レンジ・PC・スマホ充電などが使えるよう、車内に電力を供給するシステムです。バッテリーを搭載して充電・出力できる環境を整えることで、車内を自宅のように快適に使えるようになります。
Q. 走行中に充電できますか?
はい。走行充電システムを取り付けることで、走行中にバッテリーを充電することができます。
Q. ソーラーパネルだけで充電は十分ですか?
ソーラーパネル単独では不十分です。季節や天候によって発電量が大きく変わるため、走行充電・外部電源などと組み合わせた複数の充電方法をおすすめします。
Q. 既存の鉛バッテリーからリチウムに変えられますか?
はい、可能です。リチウムイオンバッテリーへの切り替えや容量UPに対応しています。
Q. バッテリー容量はどのくらい必要ですか?
施工事例として多いのは200Ah〜600Ahです。使い方をヒアリングした上で最適な容量をご提案します。
Q. エアコン・FFヒーター・照明を同時に使えますか?
はい、全て同時に使えます。使用する機器に合わせて適切な容量のシステムを構築します。
Q. ポータブル電源との違いは何ですか?
コンパクトで持ち運びでき自由に使いたい方にはポータブル電源がおすすめ。大容量・高カスタム性のシステムを構築したい方にはサブバッテリーシステムがおすすめです。両方を組み合わせた活用法もご提案できます。
Q. 外部電源(キャンプ場のAC電源)にも対応できますか?
はい、外部電源の取り付けも対応しています。外部電源からエアコンなどを直接使えるエアポタシステムもご好評いただいています。
Q. 施工後のサポートはありますか?
はい。施工後は施工者限定のLINEをご案内しており、LINEや電話でいつでも気軽にご質問・ご相談いただけます。
Q. 電装だけの依頼も可能ですか?
はい、電装のみのご依頼も歓迎しています。バッテリーの増設・鉛からリチウムへの切り替えなどのご相談も多くいただいています。お気軽にお問い合わせください。
86GARAGEの電装・サブバッテリーシステム構築について
お客様の使い方・用途をヒアリングして、最適な電装システムを設計・構築します。
対応できる電装メニュー
- サブバッテリー新規構築:リチウムイオン100Ah〜900Ahまで対応
- 鉛→リチウム切り替え・容量UP:既存システムのグレードアップも可能
- 走行充電・外部電源・インバーター・外部充電:充電環境を整えます
- ソーラーパネル・FFヒーター・換気ファン取付:車中泊を快適にする追加装備も対応
- ポータブル電源との組み合わせ:バッテリーとポタ電を使い分ける活用法も提案
こんな方のご相談をお待ちしています
- 「日本一周・長期旅行でも電欠せず快適に過ごしたい」
- 「夏はエアコン、冬はFFヒーターをしっかり使いたい」
- 「ポータブル電源だけで車内全体を管理できるようにしたい」
- 「ペットと一緒に車中泊を楽しみたい」
まずはお気軽にご相談ください。

